名誉と実利 instinct characteristic of human beings 2003 5 15
人間にとって必要なものとは何か。
それは、名誉か。お金か。
どちらも欲しいと、誰もが考えるが、
しかし、時として、どちらを選ぶか、選択しなければならない時がある。
どちらを選んでも間違いではない。
お金を選べば、家族を裕福にできる。
しかし、歴史には残らない。
名誉を選べば、お金は得られないが、
歴史には残る。人々の記憶に残る。
歴史に名を残したいと思うのは、人間としての本能かもしれない。
数千年の歴史のなかで、記念碑を残したいと思うのが、
人間には数々の本能があるが、
その本能のなかで、最後の本能かもしれない。
世界で一番、美しい紙幣。
美しき門と美しき橋。
その紙幣に描かれた絵を眺めつつ思う。
天の国にも、荘厳な門と、対岸へ渡る調和された橋がある。
紙幣を精密に作ることは、偽造防止のためかもしれないが、
しかし、それは第一次的な意味である。
誰もが常に持ち歩き、忘れない持ち物とは、紙幣である。
その紙幣が調和に満ち、美しいと誰もが感じるならば、
その紙幣は誰からも長く愛される。
それゆえ紙幣を粗末に作る国は、やがて傾く。
世界通貨の条件とは、
決して、その国の国民にしか、わからない肖像画ではなくて、
世界中の誰にでもわかる象徴となる絵をデザインすることである。
そのデザインが美しければ、世界中の誰からも愛され、
誰もが長く所有していたいと思う。